Z-FLAG CG TEAMという名前への思い

スーパーアグリというF1チームを知っていますか。

2006〜2008年、わずか3年間だけ存在した日本のF1チームです。

弊社の正式名称は「有限会社Z-FLAG」ですが、「Z-FLAG CG TEAM」を名乗るのは、実はこのチームと語呂が似ているから、というのが大きな理由のひとつです。

スーパーアグリは元F1ドライバーの鈴木亜久里がオーナーとなり、「オールジャパン」を掲げて立ち上げたチームです。ホンダワークスからはみ出た形になったドライバー・佐藤琢磨を救うために即席で作られました。

初年度は展示品だった数年落ちの旧式ボディにホンダエンジンを無理やり合体させて参戦。設備も人材も、何より資金が貧弱な弱小チームでした。

それでも、あのチームは誰もが応援したくなるチームでした。

レベルは低くても、少しの進歩を皆で喜ぶ。完走したり、少しでも順位が上がればガッツポーズ。私もメディアも他のファンも、ワークスチームより応援していました。

2年目のカナダGPでは、前年度チャンピオンのアロンソを抜いて6位入賞。F1史でも屈指のジャイアントキリングです。

小さくて弱小だけど、夢だけはでっかい。知恵と根性で戦う、まさに町工場vs大企業。

応援したくなるでしょう?

リーダーの鈴木亜久里が元F1ドライバーだというところも、私には刺さります。「名選手、必ずしも名監督にあらず」とよく言いますが、それでも情熱があればやれることを証明してほしかった。

残念ながら2008年のリーマンショックで資金繰りが崩壊し、チームは撤退を余儀なくされました。でも、あの一体感と応援したくなるような活躍は、今でも「あのチームは楽しかったねえ」と振り返れる愛嬌がありました。

私が作るチームは、そんな集団であって欲しい。


「チーム」という呼び方にも、私には意味があります。

〇〇会社でも〇〇スタジオでも、〇〇ピクチャーズでもない。チームメンバー、それぞれの人間の集合体こそがZ-FLAGなんです。スタッフには「チームのメンバー」として、一緒に頑張ってもらいたい。

白組(調布スタジオ)のことを考えます。ハリウッドとはかけ離れた予算とスタッフ数で、それでも高い理想を掲げて作り続けた。その積み重ねがアカデミー賞につながった。あれは「恵まれた環境」の話じゃない。「諦めなかった人たちの話」だと思います。

ufotableだって、京アニだって、最初から恵まれていたわけじゃない。素晴らしいIPが最初からあったわけでも、才能が揃っていたわけでもない。最初にあったのは、初期にそこに居た人たちの「高い理想と情熱」だったはずです。

私は若いスタッフたちと、そんな挑戦がしたい。フリーランス時代から、ずっとそんな気持ちでやってきました。その気持ちがあったからこそ、30年以上この仕事でメシを食えています。

まだまだウチは大規模プロダクションのような環境ではありません。でも今は世界恐慌が起きているわけでもない。仕事がないわけでもない。

良いものを作って注目されて、誇れる仕事がやってくるループを作る。いずれはどこにも負けない環境にしよう。誰もが憧れる会社になろう。

守りに入ってどうしますか。せっかくの人生、まだまだなんだって挑戦できるはず。

頑張ります。

目次

タブ